銘店ラバーズ 活動その1~湯豆腐会

客の立場からオラが街にある「小さな銘店」を応援するコミュニティ「銘店ラバーズ」。

主旨に賛同、活動を手伝ってくれるラン友さん7名と色々話し合って先日、第1回目の活動を行いました。

 

1回目のテーマは「昆布だし」。

我々が持つ5大味覚「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」のうち、「うま味」を見つめ直してみました。

場所は神戸市中央区、阪急電車春日野道駅降りて高架下の北の並びを東へすぐのトコにある「神戸天昇堂」さん。

 

出汁採り昆布のトップスリー「羅臼昆布」「道南昆布(真昆布)」「利尻昆布」をそれぞれの鍋で出汁を採って、湯豆腐をいただくというシンプルなスタイルで愉しみました。

 

豆腐は駅の北にある大日通7丁目にある宮内商店で調達。
おっちゃん・おばちゃん二人でやってる街の豆腐屋で、いきなりの大量注文にも関わらずサクッと切り分けてくれて、なおかつ大量の厚揚げをオマケしてくれました。
ありがとう、宮内商店のおっちゃん・おばちゃん。

予め前日から水に漬けてそれぞれの昆布だしを採っておいたものを投入して湯豆腐会はスタートしました。


味の違いが分かりやすいように水1リットルあたり20グラムの昆布を使用(一般的なレシピの倍量)しました。


味の違いは、それぞれかなりの違いがありました。


一番人気だったのは真昆布ですかね?羅臼昆布のだしに少々エグ味が出てしまいましたけど、豆腐を投入していくうちに味も落ち着いてエエ感じになりました。
個人的には濃い出汁の出る羅臼昆布が気に入りました。

そして「湯豆腐に合う清酒」を開栓。

 

酒は神戸花隈の「芳地商店」芳地くんにチョイスしてもらった2本

 

「播州一献 愛山」
昨年蔵が火事に見舞われた山陽盃酒造の見たことないヤツ。芳地君が幾つか勧めてくれた中から応援の意味を込めてチョイス。

 

「宋玄 純米山田錦 無濾過原酒」
こちらは芳地君イチ押しのヤツ。説明してくれている脇で電話注文が入り続々売れていたので「じゃあコレ。」と売り切れないうちに購入。石川県の酒です。

 

参加してくれた方々は、ほぼランナー。しかも色んな意味で歴戦の強者揃い。

まあ呑むは食べるわ…少し多かったかな?と心配した豆腐もペロ、宮内商店さんがオマケしてくれた厚揚げもペロ。酒に至っては呑み干した挙句、近くの店に追加購入する人もいました。

参加してくれた方々は、ほぼランナー。しかも色んな意味で歴戦の強者揃い。まあ呑むは食べるわ…少し多かったかな?と心配した豆腐もペロ、宮内商店さんがオマケしてくれた厚揚げもペロ。酒に至っては呑み干した挙句、近くの店に追加購入する人もいました。

お土産は、1回分の出汁が採れる羅臼昆布のミニパック。

みんなそれぞれ家に帰ってからも「復習」出来るよう、岩田屋さんに頼んで特別に作ってもらいました。
この個別パック、個人的にはアウトドアや少人数家族向けで便利なのではないか?と思ったりもしました。

 

 湯豆腐会の模様は以上です。

 

そもそもこの会をやろうと思ったきっかけは、神戸市中央区の二宮市場内にある昆布屋さん「岩田屋」店主の岩田さんから伺った話です。

 

かつて神戸市内には60軒以上の昆布屋があったけど現在は6軒、しかもこの春には2軒が廃業するので岩田屋さんを含めて4軒になってしまうという、かなり衝撃的な内容でした。

一番大きな原因は慢性的な天候不順による昆布収穫量の激減だそうです。
売る商品が無ければ商売やっていけない…ってことです。

 

無い言うても、スーパーとか行ったら昆布とか全然普通に売ってるやないですか?

と質問すると、即座に

 

「エエ昆布が無いねん。」

と返されました。

 

改めて岩田屋の店先に並んでいる商品に目を向けました。

 

「羅臼昆布」「道南昆布」「山出し昆布」

 

「すいません、これ何て読んだらいいのですか?」

 

「羅臼(らうす)、道南昆布…これは真昆布、利尻(りしり)。出汁を採るならこの3種類の昆布が一番エエんですわ。」

 

「えー、昆布にそんな種類があるんですか!?」

 

「ほかにも色々あるんですわ。」

 

「えー、国産が普通で北海道産が高級ってくらいしか意識してなかったです!」

 

「全然違います。」

 

「えー!」

 

ってな具合で、自身の知識の乏しさを痛感した結果、銘店を応援する前に自分の味覚・感覚を確かめなアカンやーん!という気付きを経て今回の湯豆腐会を思いついた次第です。

一人のオッサンランナーとして、一人の「商店街・市場応援隊隊員」として、暮らしの根本の一つ「食」を見つめ直す機会を増やすことは、意識して増やすべきだなと思いました。

 

それくらい自分は世の中の「便利」に慣れ切っていたということです。

「便利」を否定・拒絶するのではありません。

「便利」に飼い慣らされて己が首根っこを掴まれたくないという気持ちです。

 

開始早々いきなり変な方向へ向かってしまった銘店ラバーズ。

しばらくは同じような趣向で活動を続けていきたいと思っています。